2010年2月7日日曜日

'once you are in' 初演@横浜赤レンガ倉庫



synapseの新作、'once you are in'を昨日ヨコハマダンスコレクションRのショーケースにて初めて発表しました。1年ぶりに訪れた赤レンガ。1年前の記憶がよみがえりました。あの空気触れて、また刺激をうけました。

私たちの祖父の死がインスピレーションになっている作品を、ただの個人的な経験にとどめず、どうしたら観客と共有できるか。今日の本番を迎えるにあたって、いろんな人に観てもらって、テーマを言ってから観てもらったり、あえて言わないで観てもらったり、実験もしてみました。その結果、作品ノートがあった方がよりお客さんとの接点がしっかり持てるだろう、という事になりました。作品ノートというのは難しいものです。説明的で、作品を理解してもらうための甘えだ、と考える人も多いでしょうし、作品に性質によってはかえって何も観客に伝えないで観てもらった方がいいものもあるでしょう。しかし、今回の作品に限っては、「死」がベースにあること、人間であれば誰もが死ぬまでに、あるいは死ぬ瞬間に考える、「身体」と「魂」の関係。これは普遍的なテーマとして、観客に伝えたいと考え、インスピレーションの一つとなった、フランスの作家、セスブロンの言葉のみを作品ノートとしてお客さんに配る事にしました。

ー死というのは、たぶん、海みたいなものだろうな
 入っていくときはつめたいが、いったん中に入ってしまうと。。。

自分の最愛の祖父を亡くすまで、「死」をテーマにした作品というのは、ダンスでも、小説でも、演劇でも、ちょっと重くて私は苦手でした。だけどいったん自分が祖父を亡くすと、こんなに悲しい事ってありか、と思うと同時に、死に対してのマイナスのイメージや、ただ暗い、重い、という印象が覆されてしまいました。今の私にとって、死はすべての終わりではなく、何かの始まりに見えるようになりました。おじいちゃんは、最初はつめたい海に不安を感じただろうけど、もうすっかり海の中で痛みや恐怖から解放されて笑っているような気がします。

作品が終わった後、お客さんの一人がよって来て、
「何だか作品が進むに連れて、どこか深い深いところに落ちて行く気がしました。
だけど、この感覚を本当に理解するのは、自分の近い人を失った時なんだろうなって思って、私がいつか大切な人を失ったときにまた観てみたい作品です」

と、とても素敵な感想を聞かせてくれました。

あともう1日、赤レンガで11日木曜日、13時頃から発表します。
もしかしたら当日のスケジュールによっては13
時少し前に始まる可能性がありますので、いらしてくださる方は、少し早めにお越し下さると安心かもしれません。
どうぞ私たちの思いが一杯つまったこの作品を観てください!そして、是非感想を聞かせてください。今年中にもっと膨らまして行きたいと思っています。よろしくお願いします!!

さや


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